はちみつ③ ミツバチの蜂群育成から蜂蜜採蜜まで、養蜂家のお仕事。

はちみつ③ ミツバチの蜂群育成から蜂蜜採蜜まで、養蜂家のお仕事。

こんにちは、「むすび」石原です。

養蜂家は、巣門を出入りするミツバチたちの仕草や羽音から、巣箱の中の様子が大体分かる、ミツバチがどうして欲しいのか大体分かると言います。

ミツバチと対話し、ミツバチの気持ちになって、日々の作業を行っていきます。女王蜂・蜂群の育成、給餌、夏越し・冬越し、ダニ・外敵から防衛、1年間の努力が現れる「採蜜」に向けた、養蜂家のお仕事を紹介します。

【 お伝えしたいこと!目次 】



  1. 養蜂家の仕事、蜂群の育成
    1. ミツバチと対話し、育てる蜂群(年間)
    2. 強建を維持し、翌春へ繋げる越冬(冬)
    3. 蜂群の質に直結する、女王蜂育成(春)
  2. 養蜂家の仕事、蜂蜜の採蜜
    1. 貯蜜箱のみを頂く、高糖度に澄む蜂蜜
    2. 糖度約80度まで、待ってから得る採蜜
    3. 自然からそのままを頂く、非加熱蜂蜜

1. 養蜂家の仕事、蜂群の育成

蜂から自然から手を加えずそのまま頂く本物の蜂蜜
▲ 蜜蜂が何を今欲しているか、日々観察から全てが始まります。

1-1.ミツバチと対話し、育てる蜂群(年間)

養蜂家の毎日は、巣箱の見回りから始まります。巣門を出入りする様子はどうか、勢いはどうか、羽音はどうか。日々観察し、ミツバチが今、何を欲しているかを考え、世話をします。

  • 春、産卵力高い女王蜂を育て、勢いある蜂群を作ります。盛んな子育てと、花蜜集めができる環境を作ります。
  • 夏、蜂群の勢いは、一旦止まります。暑さ・台風・外敵などから、ハチを守る作業が中心になります。
  • 秋、秋の花の開花とともに、子育てが再開します。採蜜を控え、冬を越す強い蜂群を育てます。
  • 冬、給餌・防寒・ダニ対策などを行い、群れを密集させて、冬を乗り切ります。巣枠を作ったり、翌春の動き出し準備にも入ります。

ミツバチが死力を尽くして集め、作り出された蜂蜜のお裾分けを頂く採蜜は、1年間の努力が報われる時です。蜂蜜が生まれるまでの、養蜂家の主な作業を紹介します。

抗生物質は投与せず強健に越冬するミツバチを育む
▲ 抗生物質は投与せず、強健に冬を越えるミツバチを育みます。

1-2.強建を維持し、翌春へ繋げる越冬(冬)

ミツバチは、寒さが苦手です。「いかに上手に越冬させ、翌年の蜂群の土台を作るか」養蜂家の大きなテーマです。

  1. 健康に越冬したミツバチは、強く、優秀な遺伝子を持ちます。
  2. 女王蜂の繁殖力は、高く、翌春の勢いを増し、活発な花蜜採集を行う蜂群へ育ちます。
  3. 秋の花からは、ほとんど採蜜をせず、越冬に備えて蜂蜜を残します。糖類・花粉の給餌もします。巣箱の防寒、スズメバチなどからの外敵対策を施し、冬を迎えます。

冬の間は、巣箱内でミツバチたちが寄り添い、暖がとれるよう、1巣箱1万匹以上の群れを保たせ、春を待ちます。

ミツバチ一家の質を決める血筋を作る女王蜂の育成
▲ 養蜂家が自ら作る血筋、女王蜂の質が蜂群の質を決めます。

1-3.蜂群の質に直結する、女王蜂育成(春)

冬が終わると、植物たちは一斉に芽吹き、花を咲かせ始めます。たった10日も咲かない花種もあります。

養蜂家は、開花期を見越し、女王蜂の産卵を促し、蜜群の勢いを増していきます。僅かな期間に、蜂群のピークを作っていく技術が問われます。

その蜂群の勢いは、女王蜂の良し悪しが、大きく影響します。

産卵力があって、採蜜量が多く、耐病性にも強く、気質が大人しい。理想の蜂群を作る女王蜂を、養蜂家自らの手で育てます。質の良い血筋を継承させていく、養蜂家の腕の見せ所です。

2. 養蜂家の仕事、蜂蜜の採蜜

女王蜂を通さない隔王板で貯蜜箱からのみ頂く採蜜
▲ 女王蜂を通さない隔王板、貯蜜箱の蜂蜜のみ頂く採蜜法です。

2-1.貯蜜箱のみを頂く、高糖度に澄む蜂蜜

気温の上昇とともに、女王蜂は、卵を産み始めます。蜂群の成長に合わせて、巣箱を上へと積み上げていきます。

1段目と2段目の境には、働き蜂だけが通れて、体躯の大きい女王蜂が通れない「隔王板」という板を敷いて、区切ります(女王蜂が居る育児用の巣箱と、貯蜜専用の巣箱に分けます)。

  • 貯蜜箱に、保存食として貯蔵された蜂蜜は、完熟されて、雑味がなく、澄んでいます。
  • 対して、女王蜂が居て蜂卵や幼蜂を育てる、育児箱から搾った蜂蜜は、糖度が低く、濁り、雑味が残ります。

このため採蜜は、貯蜜箱の蜂蜜からのみ行います。80度を超す糖度と、強い粘度を備えながら、体に溶け入る優しい風味が感じられるはずです。

完熟蜂蜜で満たされる蜜蓋が約1/3を覆った巣枠内
▲ 蜜蓋が1/3を覆ってくると、巣枠内は完熟蜂蜜で満たされます。

2-2.糖度約80度まで、待ってから得る採蜜

糖度がしっかり上がり、搾っても良い頃合かどうか、正しく見極めて、蜜枠を回収します。

その際、女王蜂や働き蜂は健全でいるか、産卵や貯蜜は順調であるか、巣箱内の様子を一つ一つ確認しながら、蜜を得ていきます。

  • 春の蜜は、蜜蓋が1/3ほどかかっていれば、80~82度の糖度があり、そのような蜜枠を回収します。
  • 夏の蜜は、高い湿度が影響して乾燥しづらく、蜜蓋が全面にかかって、ようやく80度ほどの糖度になります。

巣箱から取り出した蜜枠は、蜜刀で蜜蓋をカットします。面倒な作業ですが、厚く切ってしまうと、蜜蓋に蜂蜜がついてしまい、とても勿体ない。できるだけ薄く切り、遠心分離機で蜜を搾ります。

遠心分離機で搾り加熱せず濾し器を通す非加熱蜂蜜
▲ 遠心分離機で搾って加熱せず濾し器を通す、非加熱蜂蜜です。

2-3.自然からそのままを頂く、非加熱蜂蜜

採蜜作業は、蜜蓋を取り除いた巣枠を、「遠心分離機」で回して、蜂蜜を搾ります。

その後、「濾し器」と「濾し布」で濾過を行いますが、搾り出された蜂蜜は、粘度が高く、濾過に時間を要します。

非加熱蜂蜜は、ミツバチの体温域(20~50度)以上に加熱をせず、ゆっくり濾過を行い、巣片・花粉・プロポリスなどを取り除いていきます。

尚、瓶内に白い気泡が残る場合がありますが、これは、天然酵素が生きる証拠です。未開封なら、5年でも10年でも、品質劣化しません(天然酵素も無くなりません)。

ミツバチが自ら時間をかけて作る蜂蜜糖度は、80度前後にまで達しています。水飴のような強粘性を生みます。人は一切の手を加えず、ありのままを頂く天然蜂蜜を作ります。

▼ 【商品】山形県産 無添加 非加熱 天然純粋蜂蜜(アカシア、栃、山藤、百花)。

▼ 【商品】大分県産 無添加 非加熱 天然純粋蜂蜜(レンゲ、ミカン、クロガネモチ、ミズキ)。


▼ 【記事】非加熱蜂蜜について。こちらの記事もどうぞ。

▼ 【記事】蜂蜜の見分け方について。こちらの記事もどうぞ。

▼ 【記事】ミツバチの蜂蜜作りについて。こちらの記事もどうぞ。


以上です。最後までお読みくださり、有難うございました。

コメントを残す