はちみつ② 蜂蜜の品質の良し悪しと、見極め難しい蜂蜜の見分け方。
こんにちは、「むすび」石原です。
蜂蜜は、高価だし、見極め失敗したくない! けれども、日本の蜂蜜選びは、とても難解です。加熱しても加糖しても、表示義務がありません。
本物の蜂蜜を選ぶ視点を、いくつか記しました。蜂蜜の糖度・粘度・透明度の高さや、表層に付く気泡、結晶化していく様など、本来の天然・非加熱蜂蜜の姿です。
【 お伝えしたいこと!目次 】 |
1.時間を要す、本物の蜂蜜
1-1.人は一切の関与をしない、本来の蜂蜜
天然酵素が壊れていない蜂蜜を、摂取したい!実は今や、「国産純粋蜂蜜」は、3%に満たない流通量です。
蜂蜜は、ミツバチが集めた花蜜が、ミツバチの体内酵素で分解されて、出来ます。そして、巣内で羽ばたいて水分を飛ばし、完熟させます。人は、本来何も手を加えてはいけません。
ミツバチ自ら完熟させた蜂蜜の糖度は、80度前後まで達し、粘度も強くなり、最高級の品質を有します。ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素といった、栄養素を豊富に含みます。
非加熱蜂蜜の継続的な摂取は、体がデトックスされ、体調の変化を感じ取れるようになると思います。五感が研ぎ澄まされていくようになると思います。
1-2.残念ながら、欧米産蜂蜜の方が高品質
欧米は、蜂蜜の歴史が長く、「蜂蜜は、自然をそのまま詰め、人間の手が加えられていないもの」という意識が高くあります。その上で、厳しい法律も課されています。
対して日本は、法律の規制がありません。残念ながら「純粋蜂蜜」と言いながら、加工蜂蜜が多く出回っています。
国ではなく、「全国はちみつ公正取引協議会」という一団体が、「公正取引」マークの付与を行っています。
しかし当然、厳格な基準はなく、水分含有23%以下なら、加熱しても、加糖しても、表示義務がない上に、「純粋蜂蜜」と名乗っても良いことになっています。
日本で「本物の蜂蜜」を見極めは、非常に困難です。本物志向の消費者にとって、かなり厄介な状況と言えます。
1-3.効率求めると、加熱加糖になるは必然
ミツバチが巣に持ち帰った蜂蜜は、水分をたっぷり含んでいます。
時間をかけて水分を飛ばし完熟させると、自ら分泌する蜜ロウで蜂蜜に蓋(蜜蓋)をし、保存食として蓄えます。
- 完熟すると、蜜蓋を切り落す必要があり、とても面倒な作業です。さらに、蜜蓋に蜂蜜が付着してしまうので、歩留まりが悪くなります。
- 完熟まで待つと、粘度が強まり、扱いづらくなります。不純物を除く濾過に時間を要し、作業工程が遅れます。
- 日本人は、香り薄く、味わいにクセがなく、結晶化しにくい、蜂蜜を好む傾向にあります。
これら理由により、巣に持ち帰ったばかりの蜂蜜を搾りたくなります。加熱して水分を飛ばしたり、水飴や人工甘味料を添加したりして、糖度を高めます。同時に、脱臭や結晶化しにくい蜂蜜にも仕上がります。
2.蜂蜜の選び方、見極め方
2-1.粘度が強く、糖度が高いほどに高品質
糖度と粘度は、相関関係があります。糖度が高いほど、粘度も強くなります(対して、加熱処理すると、さらさらの蜂蜜になります)。
糖度や粘度が高まった蜂蜜は、ミツバチが時間をかけて水分を飛ばし、熟成させた証拠てす。
出来れば糖度は、78度以上欲しい。傷みにくくなります。ちなみに、凡そ83度が、ミツバチが作る最高糖度です。
尚、容器をひっくり返し、気泡が上がっていくスピードで、その蜂蜜の粘度が分かります。
ゆっくり上がっていくほど粘度が高く、糖度も高い傾向にあります。購入時に(夏季は柔らかく、冬季は硬くなることを考慮して)、試してみてください。
2-2.濁った蜂蜜より、澄んだ蜂蜜が高品質
良く「濁った蜂蜜が良い」と言われますが、若干間違います。
本物の蜂蜜は、美しく澄んでいます(花種により、ブドウ糖の多い蜂蜜は、濁りやすくありますが)。
ただし、澄んだ蜂蜜は、品質が両極端に現れます。さらさらで粘度のない蜂蜜は、避けましょう。加熱処理されている可能性が高いです。
蜂蜜は、女王蜂が居て、育児や生活する巣箱から採蜜した場合、不純物が入り、濁ります。ミツバチの体液などが入ってしまうためです。
高品質の蜂蜜は、巣箱を「隔王板」という板で、区切ります。生活する巣箱と、貯蜜だけの巣箱を区切り、貯蜜箱からのみ採蜜します。その場合、綺麗に澄んだ蜂蜜ができます。
2-3.結晶化は、全体に万遍なく進むが良い
ブドウ糖の高い純粋蜂蜜にとって、結晶化は、なかなか避けられませんが、ブドウ糖が少ない蜂蜜は(アカシア、栃、レンゲなど)、ほとんど結晶化しないので、重宝しますね。
尚、蜂蜜は、結晶化していく様から、ある程度、品質の良し悪しが分かります。
- 容器全体が、霧状に結晶する蜂蜜は、花蜜のみから出来た蜂蜜と思われます(このような蜂蜜を選びましょう)。
- 容器底に白く沈殿し、分離結晶する蜂蜜は、砂糖水を給餌した時に作られた蜂蜜を、採蜜している可能性があります。
2-4.気泡は、酵素が生きる証拠で問題ない
蜂蜜の表層に白い気泡が、残っている場合があります。天然酵素が生きる証拠であり、全く問題ござません。
搾った直後は、真っ白になる花種もあります(アカシアなど)。時間とともに気泡は消え、次第に澄んでいきます。
むしろ、気泡のある蜂蜜は、非加熱蜂蜜であって、搾ってから時間が経っていない新鮮な蜂蜜でもあります。
もちろん、発酵ではなく(糖度80度前後の蜂蜜でしたら、ちょっとやそっとで発酵することは、ありません)。品質は、5年でも10年でも平気です。天然酵素も無くなりません。
▼ 【商品】山形県産 無添加 非加熱 天然純粋蜂蜜(アカシア、栃、山藤、百花)。
▼ 【商品】大分県産 無添加 非加熱 天然純粋蜂蜜(レンゲ、ミカン、クロガネモチ、ミズキ)。
▼ 【記事】非加熱蜂蜜について。こちらの記事もどうぞ。
▼ 【記事】養蜂家のお仕事について。こちらの記事もどうぞ。
▼ 【記事】ミツバチの蜂蜜作りについて。こちらの記事もどうぞ。
以上です。最後までお読みくださり、有難うございました。
1件のコメント
大変参考になりました。ありがとうございました。外国産でも、輸入した後、混ぜた物もあるのでは無いでしょうか?国内でも各地で地元で採れた純粋蜂蜜🍯と販売してますが、良し悪しは見分けにくいです。結局値段で判断していますが、どうでしょうか?