ホタテ貝似、鮮やかなヒオウギ貝をご存知ですか?旬・生態・購入等まとめ。


こんにちは、「むすび」石原です。

皆さま、「ヒオウギ貝」って、聞いたことありますか?

ホタテ貝にそっくりさんですが、知名度が低いヒオウギ貝、、 ホタテ貝との違いは? 旬の時期は? お味は? 栄養は? 今回は、ヒオウギ貝のいろいろを紹介したいと思います。



【 目次、見どころはここ! 】



  1. ホタテに似る、味の濃いヒオウギ貝。
  2. 心が奪われる、鮮やかな天然の殻色。
  3. 暖海のヒオウギ貝、冷海のホタテ貝。
  4. ヒオウギ貝とホタテ貝の違いはどこ?
  5. 一つ一つの部位に備わる、潮の旨味。
  6. ヒオウギ貝のウリは、豊富なタウリン。
  7. 豊後水道に面す辺境地、佐伯市蒲江。
  8. 稚貝~出荷まで、2年を要す自家繁殖。
  9. 大分県蒲江産 ヒオウギ貝のご案内。
  10. 旨味絶品ヒオウギ貝にもデメリット。



ヒオウギ貝 旬

▲ 火入れ調理にも、損なわない濃い旨味があります。


■ホタテに似る、味濃いヒオウギ貝。



ヒオウギ貝は、ホタテ貝にそっくりな色鮮やか二枚貝です。ホタテ貝より、一回り小さいけれど、殻に厚みがあって、弾力の食べ応えがあって、味が濃い貝です!

旬は、晩秋~春。産卵(5月)直前が一番美味しい時期です。1年で最も大きく、太る、2~4月が最高の旬になります。

味わいは、ホタテ貝と良く似ていますが、よりエッジが効いた、旨味があります(要するに、濃いです!)。

このため、火入れ調理に特に向きます。醤油・日本酒・バター焼きにしても、酒蒸し・天ぷら・パスタ・グラタンにしても、負けない味わいの強さがあります。



ヒオウギ貝 貝殻

▲ 橙・赤・黄・紫、色鮮やかなヒオウギ貝の殻色。


■心が奪われる、美しい天然の殻色。



ヒオウギ貝の鮮やかな殻色は、着色ではなく、天然色です。天然でこれほどに綺麗な色を出すなんて、自然の不思議を感じます!

赤・橙・黄・紫等、「緋(ヒ:火)」のように、鮮やかな扇の貝(緋扇貝)が、語源とされます。「桧(ヒノキ)」の薄板を束ねた、扇に似る貝(桧扇貝)とも、言われます。

美しい殻は、ステンドグラスや、マグネット、キーホルダー等へ、オシャレに加工しても、楽しみがありますね!



ヒオウギ貝 ホタテ

▲ 大分県最南端、山と海に恵まれる漁師町・蒲江。


■暖海のヒオウギ貝、冷海のホタテ貝。



ヒオウギ貝は、房総半島以西の暖海域で(主に、伊勢・南紀・四国・九州)、浅瀬~水深約20mまでの岩礁に、足糸を固着し生息します。

(ホタテ貝は、東北以北の冷海域で、水深約10~70mの砂底に生息します。)

また、ヒオウギ貝は、ホタテ貝のように、殻を開閉させて泳ぐことが出来ません。

外敵から自身を守る術は、強固に殻を閉じるだけ。このため、柔らかめのホタテ貝柱より、筋繊維が強い弾力の貝柱に育ちやすく、濃い旨味を有します。



ヒオウギ貝 貝柱

▲ 長めで弾力ある筋繊維、ヒオウギ貝の貝柱です。


■ヒオウギ貝とホタテ貝の違いどこ?



ざっくりと、あっさり味のホタテ貝、濃い味のヒオウギ貝です。両者を比べると、ヒオウギ貝は、ホタテ貝より、

  1. 一回り小さく、貝柱が細めです。
  2. 殻高で分厚く、貝柱が長めです。
  3. 筋繊維が強く、肉質に弾力あります。
  4. 味が濃く、沁み出る旨味が多めです。
  5. 賞味が短く、生食は発送日含め3日以内です。

ヒオウギ貝は、とても美味であるけれど、水揚げ後、1日少々しか生きられない貝です(ホタテ貝は、3日ほど生きます)。流通が広がらずマイナーな理由は、この点にあるのかなと思います。



ヒオウギ貝 食べ方

▲ 殻長:7~9cm、産卵(5月)前が一番大きい時期です。


■一つ一つの部位に備わる、旨味。



火入れ調理では、全部を食せます。刺身では、一般にウロ(肝)を捨てて食します。

  • 貝柱:長くモチモチ締まった肉感。出汁多く旨味濃いです。
  • 貝紐:コリコリ強い歯応え。貝特有の甘味と潮香あります。
  • ウロ(肝):基本捨てますが、絡めたりして苦味が珍味です。

生産量が少なく、今は地域的な存在でしかありません。でも、このポテンシャルの高さは、もっと脚光を浴びて良いと思います。見た目「綺麗な貝」だけでなく、十分な実力を備える貝です。



ヒオウギ貝 刺身

▲ 綺麗な外見だけじゃない、満点の旨味と栄養を有します。


■栄養のウリは、豊富なタウリン。



ヒオウギ貝で最注目の栄養は、豊富なタウリンです。健康・美容に効果があり、栄養ドリンクでも聞きますね!

タウリンは、疲労回復に効果を発揮し、脳・目の働きも活性化させます。また、コレステロールや中性脂肪も減らして、肥満改善にも効果があります。

さらに、亜鉛(骨・皮膚の生成、精子作りにも!新しい細胞を生成する器官には、必須のミネラル)、ビタミンB12(健康な血液を作る栄養ビタミン)にも恵まれた、低脂肪・低カロリー食材です。



ヒオウギ貝 大分

▲ 大分県佐伯市蒲江、美しいリアス式海岸が広がります。


■豊後水道に面す辺境、佐伯市蒲江。



佐伯市中心から、薄暗い峠道を越えて、蒲江に入ります(今は高速で一飛びですが、、)。すると、日豊海岸国定公園に指定される、270kmにも及ぶ美しいリアス式海岸が、目に飛び込んできます。

蒲江は、太平洋から黒潮が流れ込み、サンゴが群生し、かつて「佐伯の殿様、浦で持つ」と言われた漁師町。

目の前に広がる豊後水道は、干満の潮流が速く、黒潮と瀬戸内海の海水が、1日に2往復して混ざり合います。

食物連鎖の根幹であるプランクトンを多発生させ、関サバ・関アジ等の豊かな魚群を育みます。豊富なプランクトンを餌にするヒオウギ貝も、大きく育てます。



ヒオウギ貝 販売

▲ 殻を磨き海へ戻し、ご注文後、水揚げ当日に発送します。


■稚貝~出荷まで、2年を要す自家繁殖。



ヒオウギ貝は、自家繁殖させています。作業は、5月の産卵期から始まります。親貝の産卵を誘発させ、艀化させ、約1ヶ月かけて1mmほどの大きさへ育てます。

その後、網カゴへ入れて海上筏に吊るします。稚貝の成長に伴って、カゴ換えを行いながら、半年で2~3cm、1年で約5~7cm。更にもう1年かけて太らせ、出荷へ至ります。

また、ヒオウギ貝が元気良く育つために、日々の作業が欠かせません。

定期的にカゴの交換や清掃を行い、表面に付くフジツボ等の付着物を落とします。面倒で地道な作業ですが、海が豊かな証拠です。ヒオウギ貝から、出来る限りストレスを取り除いて育てます。



ヒオウギ貝 通販

▲ フジツボ等の付着物、地道な作業で取り除きます。


■大分県蒲江産 ヒオウギ貝のご案内。



大分県佐伯市蒲江産 ヒオウギ貝。

・作り手:まると水産。
・生産地:大分県佐伯市蒲江。

太平洋と瀬戸内海の恵みを受ける豊後水道、大分県蒲江。稚貝から約2年の歳月を豊後水道で過ごし成長した、活ヒオウギ貝です。ご注文後は、出荷当日の朝に水揚げし、その日のうちに発送します。

鮮やかな天然の殻色を楽しめて、ホタテ貝より弾力ある筋繊維を楽しめて、火入れ調理にも負けない濃い旨味を、感じて頂けたら嬉しいです。



ヒオウギ貝 日持ち

▲ 豊後水道の恵みを存分に得る、ヒオウギ貝を育てます。


■絶品のヒオウギ貝にもデメリット。



  • 4~5月から、小振りになります。
    一年中美味しく食せますが、産卵を終える5月頃、次の世代に切り替わり、一回り小振りになります。

  • 橙系の殻色が多めです。
    橙系の殻色が半数以上を占めます。赤・黄・紫等、出来る限り彩色豊かに努めますが、ご了承ください。

  • 生命力弱く、早めに賞味願います。
    水揚げ後は、1日ちょっとしか生きられない貝です。生食の場合、発送日含め3日以内にご賞味ください。

  • 突然の出荷規制があります。
    定期的な貝毒・海洋検査にて、稀に(1年に1回程度)、陽性検出される時があります。その際、2週間の出荷規制が生じます。大変申し訳ございませんが、ご不便をお掛け致します。


ヒオウギ貝 バター醤油

▲ バター醤油焼き、じわーと沁み出る絶品の旨味を是非!


以上です。最後までお読みくださり、有難うございました。


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