富有柿,柿

豊富な日射量、内陸の寒暖差、日本で珍しい水捌け良い砂質土壌が、糖度20度に迫る柿を生み出します。

草が茂り、山羊や馬が闊歩し、減農薬、無化学肥料栽培の大地で育つ富有柿です。

光沢ある橙紅色果皮で丸みを持ち、多汁で緻密な果肉。日持性も優れ、シャキッと硬い食感も、熟して柔い食感も楽しめる高級甘柿です。

 

富有柿,田主丸

発祥は、岐阜県瑞穂市で1850年頃とされ、1898年の柿品評会で一等受賞により広まった富有柿。

生産量は、奈良県が一番多く、次いで福岡県、岐阜県と続き、3県で全国生産の半数以上を占めます。

産地で若干容姿が異なり、奈良県・岐阜県産は橙色で比較的平ら。福岡県産は赤色濃く腰高の傾向があり、中でも田主丸産は皇室献上柿になっています。

 

富有柿,福岡県

北に筑後川、中央に巨瀬川が流れ、南に「水源の森百選」耳納(みのう)連山を擁す、福岡県一の農業地帯、田主丸町。

産出される富有柿は、平均糖度15~16度を超え、20度に迫る柿も少なくありません。

日本に珍しい花崗岩の砂状質土壌が地中深くの根伸を助け、多様なミネラルを吸収し、加えて大分県境に近い内陸寒暖差が、柿に甘味を与えます。

 

富有柿,甘柿

富有柿に代表される甘柿は、渋柿から突然変異して誕生した柿です。

甘柿の酵素がタンニン(渋味)を凝固させ、果肉に溶け出させず、脱渋せずとも甘くなります。

尚、果皮に付く白粉は、「ブルーム」と呼ばれ、水分蒸散や病気等から身を守るため、柿自身が分泌する果粉です。

 

■ 作り手 「中野果実園」 さん(福岡県)

富有柿,減農薬

一般に、10月に入ると収穫が始まりますが、当園富有柿は、約1ヶ月、収穫が遅れます。

土・草・動物・虫・微生物・菌に至るまで、自然の力を借りて育てます。

果樹自身が持つ自然のリズムに従い、成長を無理強いせず、ゆっくり結実、肥大、着色、登熟させて収穫を迎えます。

 

富有柿,有機

園内では、山羊と馬が闊歩し、悠然と草を食べる姿を目にします。

農薬の影響を殆ど受けず、多様な草が生え、堆肥・枯草を分解する虫・微生物が集い、有機土壌が生まれます。

堆肥、米糠、油粕等から有機肥料を自ら作り、肥大化促進の化学肥料を使わないため、柿は大型化しにくいものの、食味凝縮の富有柿に育ちます。

 

柿,減農薬

「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と伝えられるほど、充実した栄養素を有す柿。

ビタミンK、B1、B2、カロチン、カリウム、カルシウム…、中でもビタミンCは、柿1玉でレモン6玉分を含みます。

薬品に頼らず、そのまま果皮ごと食せる富有柿。果肉以上に栄養詰まる果皮もご一緒に、賞味頂けたら幸いです。