商品詳細|ヒオウギ貝
赤・橙・黄・紫等、色鮮やかな天然の殻色を纏うヒオウギ貝。桧(ヒノキ)の薄板を束ねた扇に似る貝(桧扇貝)や、緋(ヒ:火)のように鮮やかな扇貝(緋扇貝)が、語源とされます。
同じ二枚貝のホタテ貝と比べ、大きさはやや小振り。味わいは似ますが、よりエッジが効いた濃い旨味があります。
醤油・バターで焼いても、酒蒸し・天ぷら・パスタにしても、火入れ調理に負けない味わいの強さがあります。
・「貝柱」モチモチの肉感、出汁が良く出て濃い旨味があります。
・「貝紐」コリッと強い歯応え、貝特有の甘味と潮の香りがあります。
・「ウロ(肝)」刺身では基本捨てますが、絡めての苦味が珍味です。
生産が少なく、今は地域的存在ですが、もっと脚光を浴びて良いと思います。見た目「綺麗な貝」だけでなく、実力を十分に備える貝です。
成長したヒオウギ貝の殻の大きさは、8~9cm(春~夏場は、7~8cm)ほどです。
房総半島以西の暖海域(主に、伊勢・南紀・四国・九州)に分布し、水深約20mまでの岩礁に足糸を固着し、生息します。
ホタテ貝のように殻の開閉で移動が出来ず、外敵から守る術は、強固に殻を閉じるだけ。このため、柔らかめのホタテ貝柱より、筋繊維が強い弾力貝柱に育ちます。
黒潮が流れ込み、美しいサンゴが群生し、ダイビングスポットとしても知られる大分県佐伯市蒲江沖。
豊後水道を通る干満の潮流は速く、黒潮と瀬戸内海の海水が1日2往復して混ざり合います。
食物連鎖根幹のプランクトンが多く、関サバ・関アジ等の豊かな魚群を生み、海中プランクトンを餌にするヒオウギ貝も大きく育てます。
■ 作り手 「まると水産」 さん(大分県)
トンネルが開通するまで、病人が出ると担いで山を越え、佐伯の病院まで運んだと言われる辺境地、蒲江。
佐伯から峠道を越えて、蒲江に入ると別世界。約270kmにも及ぶ、美しいリアス式海岸が目に飛び込んできます。
かつて「佐伯の殿様、浦で持つ」と言われ、アジ・サバ・タイ・ヒラメ・ブリ・伊勢エビ・サザエ等、豊かな魚介に恵まれる漁師町です。
ヒオウギ貝の養殖は、5月頃の産卵期から始まり、自家繁殖させています。
親貝の産卵を誘発させ、艀化させ、約1ヶ月をかけて1mmほどの大きさへ育てます。
その後、網カゴへ入れて海上筏に吊るし、稚貝の成長に伴ってカゴ換えを行いながら、半年で2-3cm、1年で約5-7cm、更にもう1年かけて太らせ、出荷へ至ります。
元気の良いヒオウギ貝に、日々の作業が欠かせません。
フジツボ等付着物を落とし、カゴ換え・清掃を頻繁に行い、ストレス無く育つよう、地道な作業を繰り返します。
定期的な水質・貝毒検査、出荷規制体制も確立し、安全なヒオウギ貝を、発送当日朝に水揚げし、お届けします。